介護猿としても知られる最も知能が高いサル!?
フサオマキザルについて解説
2021年月09日16日
「アラジン」にも登場するこのお猿さん。
新世界ザルの中で一番賢いとされ、手先も器用なため、南米のチンパンジーと呼ばれることもあります。
今回はそんなフサオマキザルについてご紹介していきます。
フサオマキザルの生態
分類
別名カッショクオマキザル(褐色尾巻猿)
オマキザル科オマキザル属
生息地
フサオマキザル はいくつかの亜種に分かれていて
ペルー、ブラジル、ベネズエラ、コロンビアと広い範囲で生息が確認されています。
樹上生活を基本とし、特徴でもある尾を木に巻きつけることによって器用に木登りします。
形態
体重:1.9 〜4.8 kg
体長:32 〜57 cm
尻尾:38 〜 56 cm
寿命:野生下10年〜15年 飼育下:30年〜40
ジャガー、ピューマといった天敵が多いので、 野生下では寿命を迎える前に捕食されてしまうことが平均寿命を下げる原因となっています。
メスよりオスの方が大きく成長します。
他のオマキザル科の仲間と比べると体つきががっしりしていて褐色の粗く長い体毛、長く太い尾を持っています。
顔には毛がなく皮膚が見えており
名前の通り、頭部には房のような盛り上がった毛が見られます。
爪はすべて平爪で後足で物をつかんだり、道具を使ったりすることができます。
フサオマキザルは賢い猿として知られていて
野生では道具を使ってナッツを割ったり、ネズミに自分では届かない場所にある餌を取らせたりといった行動が確認されています。
また、他のサルに聞こえるように警戒音を発し
警戒音を聞いて逃げ出したサルの餌を奪うというずる賢いようなこともおこないます。
介助動物として活躍するフサオマキザル
引用:https://monkeyhelpers.org/monkey-helpers-our-past/
脊髄損傷、多発性硬化症、筋ジストロフィーなどといった深刻な運動障害を抱えている成人を助けるべくフサオマキザルを介助動物として訓練をする取り組みがあります。
フサオマキザルが介助動物として選ばれた理由は2点、
それは寿命と賢さです。
フサオマキザルは成長までに他の介助動物より時間がかかるので、通常訓練期間は5〜7年かかりますが、
介護犬の寿命は長くても13年なのに対し、フサオマキザルは30〜40年寿命があります。
長い間被介助者の人生のパートナーとして役割を担うことができます。
フサオマキザル特有の器用さ・賢さから次のような介護を行うことができます。
・扉の開閉
・スプーンで食べ物を食べさせること
・ペットボトルの開閉
・本のページをめくる
・電灯のスイッチを入れる
・ストローをボトルに差し込む
・リモコン、電話といった電子機器を使う
・車椅子の向きを変える
・痒いところを掻く
・物を拾う
驚くことに食事を電子レンジで温めて食べさせるといった少し知恵の必要なこともこなしているようです。
また、社会性も持ち合わせているので身体的なサポートだけではなく、飼い主と信頼関係を築いたりアニマルセラピーといったメンタルケアの部分にも期待されています。
現在、介助猿のプロジェクトをおこなっているのはアメリカ、フランス、ベルギーのみとなっています。
残念ですが日本では感染症や躾の問題上導入されていません。
下記のホームページはアメリカにある
MonkeyHelpers という介護猿を育成している施設です。
日本でもこのような施設ができ、介護猿が活躍する日が来ると良いですね!