白いのはノドだけじゃない!ノドジロオマキザルの生態や特徴について解説
2020年月12日02日
その名の通り、ノドだけが白いのかと思いきやおでこから肩〜腕にかけて 白い毛並みの持つノドジロオマキザル。
映画「ナイトミュージアム」に登場している いたずら好きのサルの仲間といえば知っている人も多いのではないでしょうか。
新世界ザルの中でも知能の高い猿です。
今回はそんなノドジロオマキザルについて解説していきます。
ノドジロオマキザルの生態
分類
霊長目 オマキザル科
生息地
ホンジュラス〜エクアドル、コロンビアなど
アルゼンチンにも生息しているといわれ、新世界ザルの中ではかなり広い分布域を持っています。
熱帯の常緑樹や乾燥した落葉樹、さらに湿地帯など様々な環境に対応して暮らすことができます。
標高1000〜2000m程度のところで複数の雄・雌、その子供達の15〜20頭で群れを作り、雄雌共に階層があるとされています。
体長 34〜45cm
形態
尾長 40〜50 cm
体重 2.6〜5.5 kg
名前の由来どおり、顔周りから喉、肩の付け根、胸元が白色〜クリーム色をしていて 他は黒色や暗褐色のような被毛を纏っています。
雌より雄の方が体が大きいことがほとんどです。
尻尾は体よりも長く、木の枝などに巻きつけることによって自在に木から木へと飛び移ることができます。
尻尾をくるくる巻いている姿から「リングテール」とも呼ばれています.
野生下では、果実や虫を主食とし、蛙、鳥の卵、植物の種子や葉、花なども食べます。
動物園などの飼育環境にあるノドジロオマキザルには りんごやキウイ、さつまいもやモンキーフードといった物を与えています。
寿命
野生下:15~20年
飼育下:40~45年
野生下では、外敵も多くジャガーやオセロットといった肉食系の動物や木の上にいることも多いので、大型のヘビやワシなどの猛禽類に襲われることが多いとされています。
石器時代に突入?頭のよいノドジロオマキザル
石器時代に突入とはどういうことでしょうか。
ドイツ・マックスプランク鳥類学研究所のブレンダン・バレット氏らが
ノドジロオマキザルが石を両手で持ち上げ、地面においたナッツや甲殻類を砕いて食べやすく調理しているところを発見しています。
最初に石器を使用するノドジロオマキザルが発見されたヒカロン島では 食料が少なく、硬い殻を割ってナッツなどの食べ物を食べる必要がありました。
石を使って殻を割る行動がいつ頃から始まったかは明らかではありませんが
サルたちが偶然石の使い方に気づき、石器時代に入ったことは間違いありません。
このような行動が確認されたのは人以外の霊長類では4番目になるそうです。
新世界ざるの中でも知能が高いとされているノドジロオマキザルですが、もう何千年後には人間と同じような生活をしているかもしれない、と考えるととっても興味深い発見ですね。
究極のコミュニケーション?仲間同士鼻の穴に指を突っ込むノドジロオマキザル
ノドジロオマキザルの変わった習性として お互いの毛をむしりあって口に入れたり、相手のサルの鼻の穴に指を突っ込んだり、相手の口をこじ開けたりする行動が確認されています
一見、喧嘩になりそうなこの行動ですが、ノドジロオマキザルにとって絆を確かめるための儀式なのではないか、と考えられています。
この行動を発見したペリー氏は今後、儀式化された交流が、サルたちの個体同士の関係を通じてどのように発展していくのかを研究する予定だそうです。
この研究によって人間を含む霊長類が儀式をどのように発生させて変化させていったのか、 についてわかるかもしれません。