日本でたった2頭の黄金の猿!ゴールデンライオンタマリンについて解説
2020年月12日02日
ゴールデンライオンタマリンという猿を知っていますか?
黄金のマーモセットとも呼ばれ、黄金の毛並みとライオンのようなたてがみが特徴の、
とても美しい猿ですが、一時はブラジルの工業や林業の発達により生息地を失われ、食用やペット目的の乱獲から消滅の危機に直面しました。
また、コロナの影響を受け保護活動も遅延している状態にあります。
今回はそんなゴールデンライオンタマリンについて紹介していきます。
ゴールデンライオンタマリンの生態
分類
霊長目オマキザル科ライオンタマリン属
生息地
ブラジル 、リオデジャネイロ州のサンジョア盆地 固有種
ブラジルの大西洋沿岸のマタアトランティカの熱帯雨林に生息します。
巨木の穴を住処としていて、行動範囲は200ヘクタールほどです。
昼行性なため、昼間は木から木へと上手に飛び移り樹上生活をします。
形態
体長 25〜31 cm
尾長 30〜40 cm
体重 630〜710g
ゴールデンライオンタマリンは、猿の種類の中でも小さいマーモセット科の中で飛び抜けて大きく、尻尾も体長よりも長いので全体的に大きく見えます。
黄金の被毛に覆われていて、顔の周りの毛が長く、ライオンのたてがみに似ていることから名付けられています。
爪は後脚の親指以外はかぎ爪になっていて、木の幹にしっかりしがみつき
木々をジャンプして移動できるように進化しています。
餌の5分の4は果実を食べていると言われるくらいのフルーツ好きで、残りは花の蜜や樹脂、小動物を食べています。
家族の絆が強く、大人同士でも餌を分け与えたりオスとメスが協力して子育てを行い、
メスが授乳しオスが子守するという珍しい特徴を持っています。
寿命
寿命は10〜16年ほどです。
サンディエゴ動物園では最長で28年2ヶ月生きたという記録もあります。
コロナの影響で遅延?今、ゴールデンライオンタマリンが危ない
ゴールデンライオンタマリンはペットや食用として捕獲されたり、現地の人口増加・発展による森林破壊により生息地が失われ、1970年代にはわずか200匹にまで減ってしまいました。
人工的に繁殖させたり生息地の移動をしたりと様々な努力で、2014年には約3700匹まで回復させましたが、2017年に黄熱病が流行し個体数が30パーセントほど減少してしまい、半世紀ほどかけて行われていた保護活動が危機的状況に陥っています。
対策として、1匹1匹に黄熱病のワクチンを投与する計画が進められていますが 今年に入って新型コロナウイルス感染症(COVIN-19)の影響を受け、中断を余儀なくされてました。
8月から作業が再開されましたが新型コロナウイルス感染症を予防するため、研究者は2人ずつ森に入って作業することになっており、作業に必要な時間とコストの増加は避けられません。
また、新型コロナウイルスがゴールデンライオンタマリンに感染しないという保証もないのです。
迅速な対応が必要とされている中での作業中断はとてももどかしいものがあります。
計画が順調に進むことを願うばかりです。