皇帝のような立派なお髭が特徴のお猿さんエンペラータマリンの特徴や生態を解説!
2020年月12日22日
エンペラー(皇帝)を思わせる立派なお髭が特徴のエンペラータマリン。
雄はもちろん大人であればメスのエンペラータマリンにもお髭があります。
また、オスが子供を育てる珍しい習慣をもつイクメンな猿でもあります。
今回はエンペラータマリンの生態や特徴を紹介していきます。
エンペラータマリンの生態
分類
霊長目 オマキザル科
生息地
ペルー南東部やボリビア北西部、ブラジル北西部などのアマゾン上流域の低地熱帯雨林や二次林などに分布していて、普段は2~15頭で群れを作って木の上で生活しています。
行動の範囲は300〜400㎡くらいです。
縄張りが他のタマリンと重なった場合は、鳴き声や臭腺からにおいをだし主張をします。
現在は絶滅危惧種ではありませんが、分布域が少ないため減少が心配されています。
形態
体長 23〜25.5 cm
尾長 35~42 cm
体重 400~500 g
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ヴィルヘルム2世_(ドイツ皇帝)
体の大きさは小さなリス程度しかありません。
灰色や濃い茶色のような被毛を持ち、オスメス共に口には長くて白い髭が生えています。
ドイツの皇帝ヴィルヘルム2世に似ていることから名前の由来になっていて、10cm近くもあるその髭は正面から見ると、肩幅を超えるほど立派です。
しかし、この長いひげが何の役に立っているのかはよく分かっていません。
エンペラータマリンが子供の時から短い髭が生えていて大人になるにつれて次第に伸びていきます。
人間同様、威厳を見せるためのものなのかもしれませんね。
足の親指は平爪になっていてそのほかの指は全てカギ爪です。
こちらは木にしがみついたり、樹液を取る際に使用しています。
ヴィルヘルム2世はあのビスマルクの外交政策を無視し、第一次世界大戦の原因を作ったともいわれている人物です。
歴史上で悪名高い人物の名前が由来ですが、
エンペラータマリン本人たちはクリクリした可愛い目をした平和的なお猿さんです。
寿命
野生下では、ヘビや猛禽類がエンペラータマリンを捕食するため、寿命は約10年ほどですが、飼育下では17〜20年生きる事例も報告されています。
イクメンなエンペラータマリン
一般的に15頭以下の複雄複雌の群れを作り、セマダラタマリンと混群を形成していることもあるようです。
群れの中では年齢を基準とした序列があり、もっとも優位なメスが妊娠します。
優位なメスは群れの全てのオスと交尾し、約140日の妊娠期間ののち双子の赤ちゃんを出産します。
生まれたばかりの子どもの体重は35g程度で、出産のほとんどは食料の豊富な雨季の間に
行われます。
出産後は父親や兄弟が赤ちゃんの運搬をし、赤ちゃんは母乳を飲むときだけ母親にしがみつきます。
動物園で赤ちゃんをおんぶしたエンペラータマリンを見かけたら、それは母親ではなく父親かもしれませんね。
エンペラータマリンに会える動物園
現在、エンペラータマリンに会える動物園は 千葉市動物公園と日本平動物園の2つです。
昔はさまざまなどう動物園でエンペラータマリンの展示が行われていましたが、
現在は年々飼育数が減少しており数頭のみの飼育となりました。
日本の動物園でもエンペラータマリンの繁殖を試みていますが、赤ちゃんが落下して死亡したり、帝王切開ののち亡くなってしまったりと、なかなか成果が出ていないのが現実です。
さらに現在この日本国内の動物園で飼育されているエンペラータマリンはオスのみになってしまって、自然界でも激減しているのでもう海外から輸入する事も出来ません。
日本国内で繁殖ができなくなってしまった為、近い将来、日本でこのサルの実物を見る事は不可能になると思われます。
日本国内で生きているエンペラータマリンを直接見ることができるのは限られた時間しかありません。
どうか、彼らが元気なうちに会いに行ってあげてくださいね!